デビュー5周年と「Heartbeat again」の世界

こんにちは。

Mia REGINAは2021年8月24日にデビュー5周年を迎えました。もうすぐ6周年。

今回は、デビュー曲「ETERNALエクスプローラー」の振り返りと新曲「Heartbeat again」の歌詞について。

 

1.デビュー曲「ETERNALエクスプローラー

ETERNALエクスプローラー」作詞:結城アイラ 作曲・編曲:KON-K

この曲は、2016年8月24日に発売されたデビュー曲であり、TVアニメ「ももくり」のED主題歌であり、Mia REGINA初のアニメタイアップ曲である。

曲名の通り、終わらない冒険、どこまでも続く旅という意味が込められており、爽やかなサウンドにのせた希望に満ちた冒険者の旅立ちの歌である。
制作会社ランティスや楽曲制作陣が追い風となって、Mia REGINAの3人をアニソンアーティストへと送り出した1曲です。

さざめく波の予感 髪をゆらすのは
追い風・・・帆を上げろ!向かい風・・・きってゆけ!
荒波さえ乗りこなせる

航海にまつわる言い回しをちりばめているのは、門出と同じように新たな出発を意味する"船出"から、"船での旅立ち"を歌詞にしたとおもわれる。

 

2.「Heartbeat again」の歌詞について

そして、デビューから5年が経ち、2021年11月3日にリリースされたシングル「Fever Dreamer」。
表題曲は、TVアニメ「逆転世界ノ電池少女」のOP主題歌であり、11作品目のアニメタイアップ曲である。

ここでは、収録曲の「Heartbeat again」の歌詞について話していきます。

「Heartbeat again」 作詞:畑 亜貴 作曲:俊龍 編曲:XELIK

イントロ0秒の「Fever Dremer」に対して、イントロ27秒のc/wを組み合わせてきた時点で最高ですね。

 

それでは、歌詞の冒頭から。

あの日のケンタウルス 今どこにあるの
もう一度見上げたらきっと手掛かりがある これからの道を照らす光受け取りたい

ある時点の回想からストーリーが始まっているが、歌詞を読み進めていっても"あの日のケンタウルス"については触れておらず。
ここでいうケンタウルスは星座のことで、手掛かりになりそうなのは”"夜の星座は旅人の地図"”くらい。

畑亜貴さんがMia REGINAに作詞提供するのは今作で3曲目。
「無敵乙女化プログレス」「DREMER'S PAIN」そして、「Heartbeat again」。

以前発売されたMia REGINAのシングル「純正エロティック」に収録されている3曲はすべて只野菜摘さんが作詞して、3曲とも主人公は"純正ちゃん"という作中のつながりがありました。
というわけで、畑さんの他の作詞曲にヒントがありそうだぞと。

 

「DREAMER'S PAIN」 作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:菊田大介

歌詞には、夢を掴もうとがむしゃらに夜を駆け抜ける姿が映り、仲間との結びつき、強固な意志、泥臭さが描かれています。

星が呼んでる明日の夢 誰にも渡さない
星が呼んでる明日の空 必ずいつかは(「DREAMER'S PAIN」より)

貫いて夢見るだけ また今日も夢見るだけ(「Heartbeat again」より)

夢を追い求める姿や夜に浮かぶ星といった情景は、「Heartbeat again」と重なる部分があります。

 

仮に、「DREAMER’S PAIN」を第一部、「Heartbeat again」を第二部とします。

""月が照らす遠い夢 つかんでみせるよ"" の遠くに夢を見ていた第一部に、
""夢の先を見に行こうと 言ったのは誰?"" の夢を手にした後の第二部。

第一部から第二部へ、""星に導かれていた未来""から、""心が呼ぶ未来""へと自ら未来を求めるように変わっていきます。

わかってる 痛み無しでは変われないねきっと

これは、「Heartbeat again」のサビに2度使われているフレーズですが、
この"痛み"というのが、まさに「DREAMER’S PAIN」なのではないでしょうか?

 

歌詞の冒頭の""あの日のケンタウルス""に話を戻します。

一日中沈まずに見つけることができる星を周極星といいます。北半球では北極星がそれにあたり、真北に位置するため方角を測るのに役立ちます。

一方、南半球ではみなみじゅうじ座周極星になり(ほぼ真南)、そのみなみじゅうじ座を探すのに使われるのがケンタウルス座です。

”"夜の星座は旅人の地図"”とあるように、「Heartbeat again」の世界では、”"あの日”"に南半球で南の位置を測りながら旅をしていたようです。

 

冷たい世界 悲劇の海 さ迷うことになった時も

これは「DREAMER'S PAIN」の歌詞ですが、もしかしたらデビュー曲の船旅の世界観を引っ張ってきたのではないでしょうか。
「Heartbeat again」の歌詞でも、星を手掛かりに方角を測りながら旅をしていることから、船旅をモチーフにしているとおもわれます。

「DREAMER’S PAIN」「Heartbeat again」は、デビュー曲「ETERANALエクスプローラー」の世界観の要素を取り入れた、世界観を広げるような歌詞に仕上げたのではないでしょうか。

結城アイラさんが書いた冒険は、夢に向かう光の眩さ。
に対して、畑亜貴さんが書いた旅は、夢の裏側のような、渇望や痛みといった夢の暗がり。

こうしてみると、TVアニメ「天晴爛漫」(日本からアメリカに渡り、アメリカ大陸横断レースで駆け抜ける)の主題歌「I got it!」は、デビュー曲の世界観や時代設定がよく似合っているなぁ...なんておもったのであります。

 

おまけ 「Dear!!!」の歌詞について

5周年の節目に発売されたシングルがもう1枚。

2021年7月28日にリリースされた「月海の揺り籠」。

収録曲の「Dear!!!」は、Mia REGINAさんからファンへ向けたお手紙で、わたしたちのいまはこうなっているんだよ、というメッセージが込められた曲。(ラジオ談)

「Dear!!!」作詞:ささかまリス子 作曲・編曲:伊藤和馬

秋葉原ディアステージで過ごしてきた彼女たちにとって、特別に思い入れのある言葉であろう"Dear"を曲タイトルにもってくるほど、「Dear!!!」は想いの強さで溢れている。

じっくり昨日を希望にしていこう
ゆっくり明日を未来にしていこう
はじまっても終わらない
だって一生、旅の途中だよ

と歌詞にあるように、デビューからの5年間を振り返って、希望に満ちた未来を見据えたデビュー曲「ETERNALエクスプローラー」を受けてメッセージを書き綴ったようにおもいます。

そして最も印象的なのはラストのフレーズの、手紙であれば敬具の位置に置かれた"Dear My Stage"。
Mia REGINAさんが歌ってきたこれまでのステージへ、京都、大阪、仙台、札幌、金沢、名古屋といった遠征先のステージにいた観客、旅先で出会った一人一人に、そしてこれからのステージに宛てた挨拶で締めくくられている。