Mia REGINA「Cidre」の"エモさの正体"に迫る
Mia REGINA「MIAUSEUM -キュレーション-」の感想。
※注意 「Cidre」の音楽的ネタバレあり。
・「Endless Warp Zone」歌詞のはめ方、メロ、複雑な構成、すべて完璧。Mia REGINAさんの一番良いところが引き出されている。曲名通りWarpしているかのような型破りな構成を可能にしている技術力の高さ、さすがQ-MHz。
・「S.P.I.N.A」
トゲトゲしく毒々しい。偏執的で攻撃的に突き出した愛情を受け止めきれる...のか?ミアレジの3人は、やさしいという前提条件のもと聴くとなお味わい深い。hotaruさんは強い女性の歌詞をかくのが苦手といっていたのに、書いてくれた。やったね、リス子ちゃん!
・「HUMAVOID」
全体的に歪んで擦れた渋い音が好き。2:27~のボルテージの高まりに興奮せざるを得ない。
・「Cidre」
2020年2月浅草での言葉を借りるなら、"最強のB面"。いま、ライブで聴きたいミアレジソング No.1。
この曲聴いてみると、寂しくて切なくてなんだかエモい。ということで、そのエモさの正体、、、考察しました!!!
結論からいうと、「Cidre」は"カレンダーガール"を元に作曲された"Mia REGINA版のカレンダーガール"です。
なぜ、そう結論づけたのか。「Cidre」と「カレンダーガール」の共通点を挙げていきながら、エモさの正体を探っていきます。
1. 出だしのギター音
「Cidre」の出だしで使われている、出だしの"ドゥーン"の1音。これは、「カレンダーガール」と「オリジナルスター☆彡」に共通する特徴的なイントロ音であり、当時からこの1音がすごく好き。始めから終わりまで、どこを切り取っても素晴らしい音で出来ている。だって、平成アニソン大賞を受賞した偉大なアニメソングなのだから。
2. 序盤から鳴り続ける"クシュクシュ音"
曲頭からずっと鳴り続ける DJスクラッチのような音。「Cidre」ではこの音が主張していて、既視感のように感じたのは「カレンダーガール」を何度も聴いているうちに刷り込まれていたのだとおもう。
3. 繰り返されるコード進行
「カレンダーガール」「Cidre」では以下のコードが繰り返される。確認してみてほしい。(音楽的解説ができないので、オタク言語で失礼。)
・カレンダーガール
テッテーテーテー、テーテテーテッテーテー
テッテーテーテー、テーテテーテッテーテー
・Cidre
テッテーテーテー、テーテテーテッテー↗
テッテーテーテー、テーテテーテッテー↗
4. サビ前
こちらも確認してみてほしい。音で聴いてもらえればわかるはず。
さっきの気分も忘れちゃって(デッ、デー)
ダッシュで坂道駆け上がっていこう(デッ、デー、デデー↗デー↗デー↗デー↗デッデ)
高揚感に連れ去られた(デッ、デーデッ、デッ、デーデッ)
はじける泡のように(デデデデデデデデッデッデ)
5. サビのガヤ
何てことない毎日が(イェーイ) かけがえないの
大人はそういうけれど(フッフー) いまいちピンとこないよ
カレンダーめくって今日も(イェーイ) わたしらしくアレ(フー)前向きに
視界(フッフー)良好(フッフー)おはようみんな(イェーイ)
グラスをあけて この場所に乾杯しましょうか(イェーイ)
お隣さんも ほら気が合うさOK? OK!
OK? OK! 花火がドーン!(フッフー)
切なくなった別れ際すこし夏の終わりみたい(イェーイ)
6. ラストに再び前奏が登場する曲の構成
Sunday Monday Chu-Chu Tuesday
めくってカレンダーガール わたしの毎日(イェーイ)
Wednesday Thursday Friday Saturday
つながって Brand-new week
Brand-new me(フー)
運命的な赤い果実
能動的な誘惑の香り
背徳的な後味に
感傷的な気分が高まる(フー)(アハハハ)(イェーイ)
前奏が始まるけれどもそこには続きはなくて、終わりが近づいているのだとわかってしまうから急に寂しくなるし切なくなる。「Cidre」のラストではガヤの声が入っているが、出だしの盛り上がりとは対照的に寂しさを助長させてしまうのだ。
以上、「Cidre」と「カレンダーガール」の共通点でした。
「Cidre」は曲単体で聴いても十分にエモさを感じるのだが、「カレンダーガール」のエッセンスが呼び水となり、さらなるエモさに繋げるのだ。感情のSHINING LINE*。
「Cidre」の歌詞についても少しだけ。
また会いたいね すぐ会いたいね
はじける泡にのっかって のっかって
Mia REGINAさんに...、会いたい...。
切なくなった 別れ際すこし夏の終わりみたい
また会いましょう きっと会いましょう
同じ螺旋状「いつか」は偶然?必然?
切なくなった 別れ際すこし夏の終わりみたいね
また会いましょう きっと会いましょう
同じ螺旋状「いつか」は偶然!必然!
1サビの偶然?必然?の疑念からラストでは確信に変わり、偶然!必然!ととても力強く歌いきっている。
ぜひ、この歌い分けにも耳を傾けてほしい。
グラスをあげて この場所に乾杯しましょうか
お隣さんも ほら気が合うさ OK? OK!
OK? OK! 花火がドーン!
乾杯も、お隣さんも、実際に会っていないと使えないワードであることに気付かされる。そして、問題のOK? OK! 花火がドーン!は、一見するとおバカさんっぽく見えてしまうかもしれないが、グラスのCidreがはじける様子、観客の盛り上がりを実によく表わしていて、見事にMia REGINAっぽい歌詞に仕上がっている。
思い出は未来のなかに探しに行くよ約束
いつもの景色が変わってく
うれしい予感があふれてるね
Cidreで埋め尽くされたフロアで、Mia REGINAさんと花火がドーン!したいね!